スタインベルグ・ベルリン
Episode
1908年からドイツ・ベルリンで製造されていた“スタインベルグ・ベルリン”というピアノについて、現在ではその詳細を伝える資料が殆ど存在していません。
スタインウェイ社から独立した技術者達によって設立され、ドイツのベルリンフィルハーモニーへもピアノを納入していたとの実績もある事から極めて高い技術レベルを備えたメーカーであった事は間違いありません。
しかし1936年、第二次世界大戦が勃発により技術者達は次々と国外へ避難してしまい1940年にスタインベルグ社は消滅しました。
現在、日本国内には昭和初期に輸入されたスタインベルグが10数台存在しています。そのうちグランドピアノは当社所有を含め4台が確認されています。
当社で修復したスタインベルグ・ベルリンは1910年代に使われていた部品と素材から最高品質を誇っていた時期の銘器です。
Feature
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1
音響板
音響板はドイツトウヒが使われています。打弦からの振動を速く大きく、また音の減衰が遅いというのが特徴です。
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2
弦
弦は芯線にはレスローを、低音巻線にはデーゲンを使用しています。
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3
外装
外装は塗料の厚みでケースの振動を妨げないよう、艶消し仕上げにしています。傷がつきやすいという弱点はありますが楽器としての性能を重視しました。
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4
アクション
アクションはイギリス製のランガーです。連打機構のレペティションは修復の前はシュワンダー式のシングルスプリングでしたが、ダブルスプリングに変更して連打性を高めています。
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5
ハンマー
打弦機構はハンマーアッセンブリーから交換し、ヘッドにはドイツのアベル社のものを使用しています
製造当時の素材を活かしつつ、現代ピアノに使用さている改良された部品も取り入れ、あらゆる演奏家の要望にも応えられるよう復元しました。