2023/07/18
ニューヨーク・スタインウェイ修理記録Ⅵ
NYスタインウェイの修理記録シリーズ最後は外装についてご紹介したいと思います。
まず、脚柱(きゃくちゅう)とういうピアノの足の部分なのですが、彫刻が施されていてとても重厚な造りになっています。工房に搬入されたとき、キャスターが付いていないのかと思い動かせないのではないかと心配しましたが根本がお椀を逆さまにしたようになっていて、その中にキャスターが付いていました。
譜面台にもこだわりを感じます。外装は艶消し仕上げなので傷が付きやすいのです。
今回は先に張弦を済ませてから塗装をしています。仕上げの調整の時も、マスキングテープで傷がつかないように気をつけて作業しました。
海外製の古いピアノは組み立て方が現在と違うので解体する時は構造を分析しながら行う必要があります。特にアップライトピアノの場合は見えない箇所にネジがあったりするので推理しながらの解体作業は楽しいものです。制作した技術者の考えなどが理解できた気分になります。
vsp音楽企画の工房では日々たくさんのピアノを修理しています。今回はシリーズ化して修理記録を更新しましたがもう少し自由な形式で修理だけでなく工房での出来事、作業などを定期的にお届けしたいと思っていますのでそちらもご覧頂ければと思います!