お知らせ

2023/11/08

VSP工房筆録5〜工具改良とジグ作製〜

こんにちはVSP音楽企画スタッフの大垣です。

何度も行っている修理作業でもやり方を変えればより早く綺麗に仕上がるのではないかと日々考えているのですが、先日参加した技術研修会で良さそうな方法を紹介していたので早速取り入れてみました。弦を叩いて音を出すハンマーヘッドという部品交換の作業なのですが、下準備が特に重要になります。まず、新しいハンマーフェルトは硬質な状態で出荷されている物が多く取り付ける前に針を刺して程よく弾力をつけるのですが、結構な回数を刺すのでいつも腕がパンパンになります。そこで、この時に使用する工具を重くして改良する事で肉体的な疲労改善と、より深部まで針が到達し作業効果を上げるという事を紹介していましたので実践してみました。

ピッカーというハンマーに針を刺す工具の柄に深い穴を開けて、鍵盤調整用の鉛を入るだけ詰め込んで重くしました。振り下ろすスピードに重さが加わったので全く疲れないという事はないですが、腕への負担はかなり軽減されました。そしてフェルトに深く針がしっかり刺さる!

そして針を刺すハンマーを固定する土台を作りました。今まではハンマーが動かないようにしっかり指で固定しなければならなかったのが、軽く抑えるくらいで良くなりました。

同じ作業でも人によってやり方や使用する工具が違うので研修会では何かしら新しい発見があります。いろいろな方法を試してみて自分に合うやり方を確立して行く事が大切だと改めて思いました。